鈴木先生(9)/武富健治/双葉社アクションコミックス
9冊目。
これまでもずっとそうではあったんだけど、今回はテーマが「選挙」ということで
一気に顕在化したのが「社会に対する視点」。
これまでずっと鈴木先生(良識者)/生徒(無知・純真な子供)
という対立の間に保護者又は教師
(固定観念に縛られる大人)が入り、
鈴木先生との戦いを繰り広げる展開だったのが、
鈴木先生の教育の結果として子供たちの能力が高まり、
その代わりに戦いの対象は良識とか道徳の中身から
「社会システム」そのものへと変動してっている。
子供たちとの戦いの中でも、
読者たる大人が既に持っている「常識」の再構築という
テーマはもちろんあったけど、ここまで表に出てなかった。
それが今回の選挙ではもうモロに大人向けに書いてるのね。
政権が交代した今、生徒の西が言った事は、
ある意味ではエリート支配的思想も孕む危険なもの。
しかしそこは切り落として、完全に選挙システムの善し悪しだけに向けてる。
ギリギリ政治的だとは言わないレベル。
今回ちょっと残念だったのは、登場人物が多すぎて、
かつ多分今後に引っ張るだろう小川を中心とする関係、
生徒それぞれの恋愛感情と、お話の部分が多すぎて、
あまりこの選挙システムへの言及部分が少なかった事。
だからこれまでの鈴木先生に比べれば全然
「すんなり読める」鈴木先生だった。
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